音声デコードフォーマットに関する用語

本説明書で使用する音声デコードフォーマットに関する用語を解説します。

サンプリング周波数と量子化ビット数

アナログ音声信号をデジタル信号化する際の情報量を表す数値です。たとえば、48kHz/24bitなどのように表現されます。

  • サンプリング周波数
  • 1秒間にサンプリング(信号の大きさを数値に置き換えること)する回数を示します。この数値が大きいほど再生可能な音域が広がります。
  • 量子化ビット数
  • 音の大きさを数値化するときのきめ細かさを示します。この数値が大きいほど音の強弱変化をきめ細かく再現できます。

AAC(アドバンスト・オーディオ・コーディング)

MPEG-2オーディオ規格の一つで、モノラル音声から5.1チャンネル音声までを効率良く圧縮できる音声フォーマットです。BS/地上波デジタル放送で採用されています。

Dolby Atmos

最初に映画館から導入された音響技術で、オブジェクト化された信号を正確かつ自由に定位または移動させて、3次元的な音響空間を簡単に創り出せます。ホームシアターへの導入により、画期的なシネマサウンドを家庭でも楽しめるようになりました。視聴者の上方から聞こえる音を活用しているのが大きな特徴です。

Dolby Atmosストリーム

Dolby Atmosコンテンツは、Dolby Atmosストリームを含むDolby Digital Plus、またはDolby TrueHDフォーマットで収録されたBD(ブルーレイディスク)、ダウンロードファイル、ストリーミングなどにより、Dolby Atmos対応AVレシーバー向けに提供されます。Dolby Atmosストリームには音の位置に関する情報(メタデータ)が含まれており、Dolby Atmos対応AVレシーバーで再生する場合は、その情報に基づいてさまざまなホームシアター環境に最適な音響空間を創り出します。

Dolby Digital

ドルビーラボラトリーズにより開発された、5.1チャンネル対応の圧縮音声フォーマットです。多くのDVDなどで採用されています。

Dolby Digital Plus

ドルビーラボラトリーズにより開発された、7.1チャンネル対応の圧縮音声フォーマットです。従来のDolby Digitalと互換性があるため、Dolby Digital対応の機器でも再生できます。ネットワークストリーミングやBD(ブルーレイディスク)などで採用されています。

Dolby Surround

2~7.1チャンネルのコンテンツを、使用されるスピーカーシステムに合わせて拡張できる次世代のサラウンド技術です。インシーリング・スピーカー(埋め込みスピーカー)やドルビーイネーブルドスピーカーなど、Dolby Atmosの再生に適したシステムはもちろん、従来のスピーカーレイアウトでもDolby Surroundを楽しめます。

Dolby TrueHD

スタジオマスター品質の音声を家庭で再現するために、ドルビーラボラトリーズによって開発されたロスレス(可逆型)高品質音声フォーマットです。96kHz/24bit時で最大8チャンネル(192kHz/24bit時は最大6チャンネル)のディスクリート音声信号を収録・再生できます。BD(ブルーレイディスク)で採用されています。

DTSダイアログコントロール

中央に定位する音(セリフなど)の音量を高める機能です。雑音の多い環境で視聴する場合などに、セリフなどの音を聴き取りやすくします。また、聴力障害をもつ方にとっても便利な機能です。なお、コンテンツによってはDTSダイアログコントロールを使用できない場合があります。ファームウェアの更新により、新たな機能が追加されたり、機能が拡張されたりする場合があります。

DTSデジタルサラウンド

DTS社により開発された、5.1チャンネル対応の圧縮音声フォーマットです。多くのDVDなどで採用されています。

DTS96/24

高品質96kHz/24bit 5.1チャンネルに対応した圧縮音声フォーマットです。従来のDTSデジタルサラウンドと互換性があります。音楽DVDなどで採用されています。

DTS-ES

DTS-ES方式で収録された6.1チャンネル音声の再生方式です。5.1ch信号に追加して、サラウンドバックチャンネルの音声も出力されます。サラウンドバックチャンネルの信号をサラウンドチャンネル信号に合成して収録するマトリックス方式と、独立した信号を収録するディスクリート方式があります。

DTS Express

DTS Digital Surroundフォーマットよりも、さらに高圧縮に対応した5.1チャンネル対応の音声フォーマットです。ネットワークストリーミングやBD(ブルーレイディスク)のセカンダリーオーディオなどを目的として開発されています。

DTS-HD High Resolution Audio

DTS社により開発された高品質96kHz/24bit 7.1チャンネルに対応した圧縮音声フォーマットです。従来のDTSデジタルサラウンドと互換性があります。BD(ブルーレイディスク)などで採用されています。

DTS-HD Master Audio

スタジオマスター品質の音声を家庭で再現するために、DTS社により開発されたロスレス(可逆型)高品質音声フォーマットです。96kHz/24bit時で最大8チャンネル(192kHz/24bit時は最大6チャンネル)のディスクリート音声信号を収録・再生できます。BD(ブルーレイディスク)で採用されています。

DTS Neo:6

2チャンネルで記録された信号のソースを、6チャンネル音声に変換する技術です。映画用のCinemaモード、音楽用のMusicモードが用意されています。ディスクリート方式で記録されたソースのようなチャンネル分離感を実現します。

DTS:X

DTS:Xは、DTS社により開発された次世代オブジェクトベースのサラウンド技術です。チャンネルの枠を超えて音のオブジェクトが視聴者を包み込む音場空間内を自由に動き、より正確な音場表現を実現します。この音場表現が、これまでにない音の豊かさやリアリティ、没入感を生み出します。テレビ内蔵のスピーカーから、ホームシアターのスピーカー、さらには映画館に設置された多数のスピーカーに至るまで、多様なスピーカーの配置と視聴スペースに合わせて音声を自動調整し、最高の音響空間をつくり出します。さらに詳しい情報については、http://www.dts.com/dtsxをご覧ください。

DSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)

SACD(スーパーオーディオCD)などで採用されている、デジタル信号を記録する方式の1つです。最高11.2Mbpsの高ビットレートで記録され、CDよりも高音質な再生ができます。収録可能な周波数は100kHz以上、ダイナミックレンジは120dBです。

FLAC(Free Lossless Audio Codec)

音声圧縮方式の1つで、ロスレス(可逆型)圧縮方式を採用しています。圧縮率では非可逆圧縮方式フォーマットには劣るものの、音質の劣化がないため、高品質の音声を楽しめます。

MP3

MPEG圧縮技術を使用した音声圧縮フォーマットです。人間の感じ取りにくい部分のデータを間引く非可逆圧縮方式を採用しており、音質を保ったままデータ量を約1/10に圧縮できると言われています。

MPEG-4 AAC

MPEG-4オーディオ規格の1つです。音質を保ったまま、データ量を大幅に圧縮できます。携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどの小容量、高音質が求められる機器や、インターネット上のコンテンツ配信などにも利用されています。

Neural:X

Neural:Xは、DTS社による最新のダウンミックス/アップミックス技術であり、空間の再配置技術です。DTS:Xに組み込まれており、Neural:Xエンコードされた信号、通常の信号(PCM)のどちらもアップミックスできます。DTS:Xに対応したAVレシーバーでは、Neural:Xが最大で11.xチャンネルの信号をつくり出します。

PCM(パルス・コード・モジュレーション)

アナログ音声信号をデジタル音声信号に記録・変換・伝送する方式で、すべてのデジタル音声信号方式の基礎となる技術です。また非圧縮音声フォーマットとして、CDをはじめとしてさまざまなコンテンツで採用されており、リニアPCMとも呼ばれています。

WAV

Windows標準の音声ファイルの形式です。デジタル音声信号の保存形式などを規定しています。通常はPCMデータ(非圧縮)が使用されますが、任意の圧縮方式も利用できます。

WMA(Windows Media Audio)

Microsoft社が開発した音声圧縮フォーマットです。人間の感じ取りにくい部分のデータを間引く非可逆圧縮方式を採用しており、音質を保ったままデータ量を約1/20に圧縮できると言われています。