はじめに

このたびは、ヤマハDME7をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。本製品は設備音響の幅広い音声処理で使用するシグナルプロセッサーです。このリファレンスマニュアルでは、設定や操作に必要なすべての項目を説明しています。本製品のさまざまな機能を十分にご活用いただくために、必要に応じてこのリファレンスマニュアルをお読みください。

記号表示について

本製品やマニュアルに表示されている記号には、次のような意味があります。

記号 内容

caution 警告

死亡する可能性または重傷を負う可能性が想定される内容です。

caution 注意

傷害を負う可能性が想定される内容です。

important ご注意

故障、損傷や誤動作、データの損失の発生が想定される内容です。

note NOTE

操作や運用に関連した情報です。参考にお読みください。

マニュアルの記載内容に関するお知らせ

  • このマニュアルに掲載されているイラストや画面は、すべて説明のためのものです。

  • Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

  • QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

  • 本書に記載されている会社名および商品名等は、各社の登録商標または商標です。

  • ソフトウェアは改良のため予告なしにバージョンアップすることがあります。

特長

  • さまざまな用途の音響システムに必要な音声処理をプログラム可能なシグナルプロセッサー
    DME7はさまざまな用途の音響システムで求められる音声処理を実現する高機能・高音質のフリーコンフィグプロセッサーです。マトリクスミキサー、EQ、ディレイ、コンプレッサー、ゲートといった基本機能のほか、オートミキサー、ルームコンバイナーなど、さまざまなアプリケーションに対応するコンポーネントも多数装備しています。最大256 ch × 256 ch*のDante入出力により、大規模な音響システムにも対応可能です。
    (*チャンネル数の拡張には、ライセンスの追加が必要です)

  • 音響システム全体のデザインを実現するアプリケーションソフト「ProVisionaire Design」
    アプリケーションソフト「ProVisionaire Design」は、DME7の音声処理を自由にプログラムできるだけでなく、I/Oやアンプまでを含めた統合的な音響システムデザインを実現します。

  • 外部コントロールに対応
    壁埋め込み型コントロールパネル「DCP」各品番に対応しています。また、カスタムデザインが可能な「ProVisionaire Control」、タブレットデバイスアプリケーション「ProVisionaire Touch Kiosk」にも対応し、設備の用途に応じた操作環境のカスタマイズもできます。

付属品

  • セットアップガイド 1冊

  • ユーロブロックプラグ(16ピン、3.50 mmピッチ) 2個

  • 電源コード 2本

  • ケーブルフック 1個

マニュアルの構成

  • DME7セットアップガイド(製品に同梱)
    電源の接続からセットアップの方法を説明しています。

  • DME7 リファレンスマニュアル(本書)
    設定や操作に必要なすべての項目を説明しています。

  • ProVisionaire Design ユーザーガイド(HTML)
    本製品をコンピューター上でコントロールするソフトウェアProVisionaire Designの操作方法を説明しています。

ProVisionaire Design について

シグナルプロセッサー、パワーアンプリファイアー、オーディオインターフェースなどの機器を統合的に設計するWindowsアプリケーションソフトウェアです。

ProVisionaire Designは下記ウェブサイトからダウンロードください。
https://www.yamahaproaudio.com/

詳細は「ProVisionaire Designユーザーガイド(HTML)」をご参照ください。
https://manual.yamaha.com/pa/pv/pvd/

ProVisionaire Edgeについて

ローカルネットワークのデバイスをモニタリングするためのソフトウェアです。
DME7をモニタリングするには、ProVisionaire Edgeのインストールが必要です。
ソフトウェアは下記ウェブサイトからダウンロードください。
https://www.yamahaproaudio.com/

Yamaha Steinberg USB Driverについて

DME7とコンピュータをUSBで接続するためのドライバーソフトウェアです。
最大8イン/8アウトのオーディオ信号を、DAWソフトウェアなどとやり取りできます。
ドライバーソフトウェアは下記ウェブサイトからダウンロードください。
https://www.yamahaproaudio.com/

ファームウェアのアップデート

本製品は、操作性向上や機能の追加、不具合の修正のために、本体のファームウェアをアップデートできる仕様になっています。
ファームウェアのアップデートがある場合は、下記ウェブサイトに情報が掲載されます。
https://www.yamahaproaudio.com/

note NOTE

  • Danteネットワーク内の各機器のバージョンによって、他の機器のアップデートが必要になります。詳細は、上記ヤマハウェブサイトに用意されているファームウェアの互換表をご参照ください。

ラックマウント時の注意

本製品の動作保証温度は0~40℃です。本製品だけをEIA標準のラックにマウントする場合は、複数台を隙間なくマウントしてご使用いただけます。本製品を他の機器と一緒にEIA標準のラックにマウントする場合、各機器からの熱でラック内の温度が上昇し、十分な性能を発揮できないことがあります。本製品に熱がこもらないように、必ず以下の条件でラックにマウントしてください。

  • パワーアンプなどの発熱しやすい機器と一緒にマウントする場合は、他の機器との間を1U以上空けてください。また、このスペースは通風パネルを取り付けたり、開放したりして、十分な通気を確保してください。

  • 本製品は前面吸気、後方排気になっているため、後方吸気、前面排気の機器と一緒にラックマウントしないでください。

  • ラックの背面を開放して、ラックを壁や天井から10 cm以上離し、十分な通気を確保してください。ラック背面を開放できない場合は、ラックに市販のファンキットなどの強制換気装置を取り付けてください。ファンキットを取り付けた場合は、ラックの背面を閉じた方が放熱効果が大きくなることもあります。詳しくはラックおよびファンキットの取扱説明書をご参照ください。