Danteについて
Danteについて
■ Danteの概要
DME7は、デジタルオーディオ信号を伝送するプロトコルとしてDanteを採用しています。Danteは、Audinate社が開発したネットワークオーディオプロトコルです。ギガビットイーサネット対応のネットワーク環境で、サンプリング周波数/ビットレートが違う複数のオーディオ信号や、機器のコントロール信号を同一ネットワーク内で伝送できる特長を持っています。
Danteの詳細については、Audinate社のウェブサイトをご参照ください。
http://www.audinate.com/
また、ヤマハ プロオーディオ ウェブサイトにも、Danteに関するさまざまな情報を掲載しています。
https://www.yamahaproaudio.com/
NOTE
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Danteネットワーク内では、ネットワークスイッチのEEE機能(*)を使用しないでください。
EEE機能によってクロック同期性能が悪化して音声が途切れる場合があります。
そのため、以下の点にご注意ください。-
マネージドスイッチを使用する場合、Danteを使用するすべてのポートのEEE機能をオフにしてください。EEE機能がオフにできないスイッチは使用しないでください。
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アンマネージドスイッチを使用する場合、EEE機能に対応したスイッチを使用しないでください。これらのスイッチはEEE機能をオフにできません。
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*EEE(Energy Efficient Ethernet)機能: ネットワークのトラフィックが少ないときにイーサネット機器の消費電力を減らす技術。グリーンイーサネットやIEEE802.3azとも呼ばれる。
接続方法について
このモデルをDanteネットワークに接続させるには、2つの方法があり、組み合わせて使用できます。
リダンダント接続
リダンダント接続は、デイジーチェーンで構築されたネットワークよりも、ネットワーク障害に強い環境を構築できます。リダンダント接続とは、主回線(プライマリー)と副回線(セカンダリー)の2回線で構成された接続方法です。通常はプライマリー回線で通信していますが、プライマリー回線に断線などのトラブルが発生した場合は、自動的に通信がセカンダリー回線に切り替わります。
NOTE
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DanteオーディオネットワークとProVisionaire Designのネットワークを同一のコンピューターで動作させる場合は、ネットワークインターフェースカードを分けて接続してください。
デイジーチェーン接続
デイジーチェーンとは、機器を数珠つなぎにする接続方法です。ネットワーク構築が簡単で、ネットワークスイッチを減らすことができます。
接続する機器が多くなると、末端機器間の伝送遅延が増えるため、Danteネットワーク上の音切れを防ぐために、レイテンシーを大きく設定する必要があります。また、ケーブルの断線などによりシステムに障害が発生すると、ネットワークがそこで分断され、その先の機器との伝送ができなくなります。
1つのデイジーチェーンの中でつなげるDante機器の台数は、レイテンシーが初期設定(1.0 msec)の場合は、10台までにしてください。接続が11台を超えると、ネットワーク内の通信遅れが大きくなり、音声が途切れることがあります。これを避けるには、Danteレイテンシーをより大きな値に設定するか、L2スイッチ(ギガビットイーサネット対応)を使用して、ネットワークを分岐してください。
NOTE
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ネットワークがループするため、複数の端子を外部の同一スイッチに接続しないでください。
Danteオーディオネットワーク上を送受信される信号のレイテンシー設定は、接続方法や規模によって適切な設定が変わります。ここでは、DME7に接続されたDante対応機器の接続状況によるレイテンシー設定の考え方を説明します。
■ レイテンシーとホップ数の関係
Danteオーディオネットワークのレイテンシー設定は、そのネットワークのホップ数に依存します。
ホップ数は、Dante機器の最も遠い接続間のスイッチの数を表わします。スイッチは、スイッチングハブのほかに、DME7やI/Oデバイスの各機器にも内蔵されています。このホップ数によって、設定するレイテンシーの目安がわかります。
ホップ数による一般的なレイテンシー設定の目安は次のとおりです。
ホップ数 |
レイテンシー
(ms) |
---|---|
3まで |
0.25 |
5まで |
0.5 |
10まで |
1.0 |
20まで |
2.0 |
21以上
|
5.0 |