YNOによるクラウド管理

1. 機能概要

本製品は、ヤマハが提供するクラウド型ネットワーク管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」に対応しています。
YNOは、ルーターや無線LANアクセスポイントを含む複数のネットワーク機器を一元管理できるクラウドサービスで、運用の効率化と可視化を支援します。

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YNOで提供される主な機能は次のとおりです。

  • 機器状態の監視
    複数拠点のスイッチの構成や稼働状況をYNOで監視できます。
    常に最新の情報を確認でき、異常発生時にはリアルタイムで通知されるため、障害対応を迅速化できます。

  • Web GUIへのアクセス
    YNOを通じてスイッチのWeb GUIに安全にアクセスできます。
    現地に行かずに設定変更や状態確認が可能になり、運用の効率化につながります。

  • ファームウェアの更新
    複数のネットワーク機器をまとめて選択し、一括でファームウェアを更新できます。
    これにより、メンテナンス作業の負担を軽減し、常に最新の状態を維持できます。

さらに、マルチベンダー環境でも、LANの中核にヤマハスイッチが導入されていれば、他社製ルーター配下の機器も可視化・管理できます。

2. 本機能の利用条件

YNOを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • ライセンス

    • YNOライセンスを購入済みであること
      ライセンスの詳細は YNO利用規約 を参照してください。

  • 利用環境

    • 日本国内での利用に限る
      本製品は日本国内に設置し、利用者は日本国内に居住している必要があります。

  • ネットワーク要件

    • 本製品がインターネットに接続可能であること
      HTTPSプロキシーを利用する場合は、追加の設定が必要です。
      詳細は 使用手順 を参照してください。

3. 用語の定義

YNO

Yamaha Network Organizer。ヤマハが提供するクラウド型ネットワーク統合管理サービスで、複数拠点のネットワーク機器を一元管理できます。

YNOマネージャー

YNOの管理サーバーであり、ネットワーク機器と通信して状態監視・設定変更・ファームウェア更新などを行います。
YNOマネージャーは3つのサーバー(ACS、XMPP、GFW)で構成されます。

YNOエージェント

スイッチやルーターに搭載される機能で、YNOマネージャーと通信し、機器の状態通知や遠隔操作を可能にします。

デバイスID

YNOエージェントとしてスイッチを登録する場合に、YNOマネージャーとの認証に使用するIDです。

4. 機能詳細

4.1. 機器状態の監視

本機能では、スイッチの機器情報をYNOマネージャーへ定期的に送信します。
さらに、機器状態が変化した場合、温度異常や電源異常などのトラブルを検出した場合は、即時に通知します。
これらの情報により、YNOの管理画面から複数拠点の機器の状態を常に最新の情報で確認でき、異常発生時にはリアルタイムで把握できます。

即時通知には次の3種類があります。

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4.2. Web GUIへのアクセス

本機能では、YNOを通じてスイッチのWeb GUIに安全にアクセスできます。
これにより、管理者は現地に行かずに設定変更や状態確認を行うことができ、運用の効率化につながります。
さらに、「LANマップ」と併用することで、LAN側のネットワーク構成を視覚的に確認でき、運用状況の把握が容易になります。

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なお、YNOからWeb GUIにアクセスする場合、以下の機能はご利用できません。

  • Webコンソール機能

  • PC上のファームウェアのアップロードによるリビジョンアップ機能

  • バックアップ/リストア機能

  • CONFIGのインポート/エクスポート機能

4.3. ファームウェアの更新

本機能では、YNOを通じてスイッチのファームウェアを遠隔で一括更新できます。
管理画面から指示するだけで新しいファームウェアを適用でき、複数拠点の機器を常に適切な状態に維持できます。
これにより、メンテナンス作業の負担を大幅に軽減し、運用の効率化と安全性を両立できます。
詳細な更新手順については YNO操作マニュアル - 機器管理:スイッチ - ファームウェアの更新 を参照してください。

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なお、本機能を使用する際は以下の点にご注意ください。

  • 一部の設定コマンドの無効化
    YNOによるファームウェア更新時は、以下のコマンドによる設定は反映されません。

    • firmware-update reload-time
      更新完了後は即時に再起動されます。

    • firmware-update reload-method
      スタック構成時の再起動方法は、強制的に「順次再起動」となります。

  • HTTPプロキシーの設定
    HTTPプロキシーを利用する場合は、 以下のコマンドで設定してください。

    • firmware-update http-proxy

  • ダウンロードのタイムアウト時間の設定
    ファームウェアダウンロードのタイムアウト時間は、以下のコマンドで設定してください。

    • firmware-update timeout

5. 使用手順

本製品をYNOで管理するには、利用開始時に「管理登録」を行い、利用終了時には「登録解除」をする必要があります。
本章では、まず YNO管理登録の手順、次にYNO管理登録解除の手順について説明します。

5.1. YNO管理登録

本製品をYNOで管理するためには、以下の4つの手順が必要です。

5.1.1. ライセンス購入

YNOのご利用を始める前に、管理したい機器の台数分のライセンスをご購入いただく必要があります。
ライセンスのご購入に関しましては、ヤマハネットワーク製品販売店にお問い合わせください。

5.1.2. YNOマネージャーでの機器登録

  1. 本製品のシリアル番号とデバイスIDを確認

    • 特権EXECモードで show environment コマンドを実行し、「Serial」と「Device ID」を控えます。

      Yamaha#show environment
      [Device]
        ...
        Serial             : XXXXXXXXXX
        Device ID          : XXXXXXX-XXXXXXX-XXXXXXX-XXXXX
        ...
    • スタック構成の場合は、すべてのメンバースイッチをYNOマネージャーに登録する必要があります。

      • メンバースイッチのシリアル番号、デバイスIDは show stack コマンドを実行することで確認できます。

  2. YNOマネージャーで本製品を登録

5.1.3. 本製品でのYNOエージェント有効化

  1. インターネットに接続

    • 本製品をインターネットに接続できるよう環境を準備します。

    • HTTPSプロキシーを経由する場合は yno https-proxy コマンドでプロキシーサーバーを指定してください。

  2. YNOエージェント機能を有効化

    • 利用規約 を確認します。

    • グローバルコンフィグレーションモードで yno enable コマンドを実行します。

      Yamaha(config)#yno enable

      コマンドを実行すると、日本国内限定のサービスであることの確認メッセージが表示されます。
      確認して問題がなければ「y」キーを押してください。

      YNO is a service intended for use within Japan only.
      Please do NOT use this Service if
       - you or a user of the Service resides outside Japan.
       - the network device is installed outside of Japan.
      Are all users and this device located in Japan? (y/n): y

      続いて「ライセンスの購入」と「購入時の規約の同意」を確認するメッセージが表示されます。
      ライセンスの購入と規約の同意が済んでいる場合は、「y」キーを押してください。

      To activate this function, you have to
       - purchase a YNO license.
       - agree the terms and conditions before purchasing.
      http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/yno/license.pdf
      Have you purchased a license and agreed the terms and conditions? (y/n): y

5.1.4. YNOエージェントの動作状態確認

  1. 本製品のYNOエージェントの動作状態を確認

    • 特権EXECモードで show yno コマンドを実行します。

      Yamaha#show yno
      [YNO Agent status]
        YNO Agent         : Enable
        Connection status : Online
        Connected date    : 2025/10/12 12:00:00
        Operator ID       : xxxx
      
      [Server connection status]
        ACS  : Connected
        XMPP : Connected
        GFW  : Connected
    • 表示される情報の説明

      • YNOエージェント機能の設定状態 (Enable/Disable)

      • YNOマネージャーとの接続状態 (Online/Offline)
        Offline の場合は、以下のような原因が表示されます。

        • ACSへの接続失敗

        • ライセンス不足により管理下に入れない

        • オペレーターアカウントが無効または削除されている

        • YNOマネージャーに機器が登録されていない

        • スタック機能の不一致(YNOマネージャー側の設定と本製品の状態が不整合)

      • 接続が確立した日時

      • 本製品を管理しているオペレーター(YNOマネージャー上でネットワーク機器の管理・操作を行うアカウント)のID

      • YNOマネージャーの各サーバー(ACS、XMPP、GFW)との接続状態 (Connected/Not connected/Abnormal)
        通常、ユーザーがこれらを意識する必要はありませんが、接続状態の確認やトラブルシューティングの参考情報として表示されます。

    • 接続再試行の方法
      本製品はYNOマネージャーとの接続に失敗した場合でも自動的に再接続を試みます。
      ただし、再接続するまでに最大で10分程度かかる場合があります。
      すぐに接続を再試行したい場合は、次のいずれかを実施してください。

      • YNOエージェント機能を一度無効化し、再び有効化する

      • 本製品を再起動する

5.2. YNO管理登録解除

以下の3つの手順で本製品をYNOの管理から除外できます。

5.2.1. YNOマネージャーでの機器登録解除

  1. YNOマネージャーにログインし、本製品の登録を削除します。

    • 手順の詳細は YNO操作マニュアル - 機器管理:スイッチ - 機器の管理 を参照してください。

    • 本製品側からの強制登録解除について
      通常はYNOマネージャー側で登録削除を行いますが、何らかの理由で削除操作ができない場合に備え、本製品側から強制的に登録を削除する機能があります。
      この操作により、YNOマネージャーとの管理関係を本製品側で一方的に解除できます。

      • YNOマネージャーから本製品の登録を強制的に削除
        特権EXECモードで unregister yno コマンドを実行します。

        Yamaha#unregister yno
        Unregister this device from YNO Manager? (y/n): y
        • 強制登録解除は、YNOエージェント機能が有効、かつ、YNOマネージャーと通信ができる状態で行う必要があります。

        • スタック構成時は強制登録解除はできません。

5.2.2. 本製品でのYNOエージェント無効化

  1. YNOエージェント機能を無効化

    • グローバルコンフィグレーションモードで yno disable コマンドを実行します。

      Yamaha(conf)#yno disable

5.2.3. YNOエージェントの動作状態確認

  1. 本製品のYNOエージェントの動作状態を確認

    • 特権EXECモードで show yno コマンドを実行します。

      Yamaha#show yno
      [YNO Agent status]
        YNO Agent         : Disable
        Connection status : Offline
        Connected date    : -
        Operator ID       :
      
      [Server connection status]
        ACS  : Not connected
        XMPP : Not connected
        GFW  : Not connected

6. 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。

操作項目 操作コマンド

YNOエージェント機能の設定

yno enable / disable

YNOのHTTPSプロキシーサーバーの設定

yno https-proxy

YNOマネージャーとのキープアライブの時間間隔の設定

yno keepalive

YNOマネージャーの機器登録を強制解除

unregister yno

YNOエージェント機能の動作状態の表示

show yno

7. 注意事項

YNOを利用する際は、以下の点に注意してください。

  • ライセンス関連

    • YNOを利用するには、YNOライセンスの購入と利用規約への同意が必要です。

    • ライセンスが不足している場合、本製品はYNO管理下に入れません。

  • 利用地域

    • YNOは日本国内専用です。本製品は日本国内に設置し、利用者は日本国内に居住している必要があります。

  • ネットワーク要件

    • 本製品がインターネットに接続できる環境を準備してください。

    • HTTPSプロキシーを利用する場合は、追加の設定が必要です。
      詳細は 使用手順 を参照してください。

  • スタック構成時の注意

    • YNO上ではスタック構成のスイッチを1台分として管理しますが、すべてのメンバースイッチをYNOマネージャーに登録する必要があります。

    • スタック構成時の強制登録解除はできません。