13. パワーアンプ PCシリーズ

PCシリーズの機器シートを開くと、「Presets」エリアと機器シート、「Bird’s Eyeビュー」が表示されます。

Amp PC Sheet

機器シート上のコンポーネントをダブルクリックすると、コンポーネントエディターが開きます。

13.1. 「Presets」エリア

このエリアでは、複数のパラメーターの設定をプリセットとしてストアしておくことができ、リコールしてストアしてあったプリセット内のパラメーターを展開できます。展開されているプリセットのパラメーターはカレントパラメーターと呼びます。
複数の機器のプリセットを同時にリコールするには LinkPresetManagerButton ボタンをクリックして、 「Linked Presets Manager」ウィンドウ で設定をしてください。

Amp PC Presets
  • [STORE]ボタン
    プリセットをストアするためのボタンです。設定がストアされていないプリセットを選択すると、「Store Preset」ダイアログが表示されます。

  • [RECALL]ボタン
    プリセットをリコールするためのボタンです。

  • [CLEAR]ボタン
    プリセットをクリアするためのボタンです。

  • プリセットリスト
    プリセットを一覧表示します。最大32個までのプリセットがストアできます。

    • 「Preset」
      プリセットの番号と名前を表示します。展開するとどのパラメーターをリコール対象とするのか選択できます。
      ストアされているプリセットを選択し、この部分をダブルクリックすると、名前が編集できるようになります。
      空のプリセットの名前は[No Data]と表示されます。

    • 「Protect」
      鍵のアイコン( Amp PC UnProtect )をクリックすると、アイコンが Amp PC Protect に変わり、プリセットを編集やクリアできないようにプロテクトをかけます。
      プロテクトがかかった状態でアイコンをクリックすると、プロテクトを解除します。

===「Store Preset」ダイアログ

Amp PC Preset
  • [Name]
    プリセット名を入力します。デフォルト状態では、「Preset + プリセット番号」が入力されています。空のプリセット名は入力できません。

  • [OK]ボタン
    プリセットのストアを実行し、ダイアログを閉じます。

  • [Cancel]ボタン
    プリセットのストアをキャンセルし、ダイアログを閉じます。

13.2. 「Properties」エリア

ここでは「Project」シートの「Properties」エリアに関するダイアログについて説明します。
項目の説明については、各Propertyをクリックすると下に表示されます。
[Display]の[Location]や[Device]の情報はStyle情報として保存されません。
機器の設定についてはPCシリーズの取扱説明書を参照してください。

13.3. リンクグループエディター

「Tuning」シートのPCシリーズのチャンネルが登録されているリンクグループをダブルクリックするか、右クリックして[Open Link Group Editor]を選択すると表示されます。

Amp PC LinkGroupW

  • [SOLO]ボタン
    オンラインのときに、ツールバーの[Solo Mode]ボタンをオンにすると有効になります。
    オンにすると、このリンクグループに登録されているチャンネルからのみ音声が出力され、EQや音量、Delayの最終調整をするときに便利です。

13.3.1. [User EQ/Volume]タブ

グループに登録しているチャンネルのUser EQやボリュームを一括して変更します。
ボリュームはMasterフェーダーで操作します。
「Volume」のマスターフェーダーは、グループに登録しているチャンネルのVolumeを相対値で一括変更します。
EQについては、 「User EQ/User Delay」コンポーネントエディター を、Volumeについては 「Volume」コンポーネントエディター を参照してください。

Amp PC LinkGroupW

  • [Band Sharing]ボタン
    あるチャンネルが複数のグループに登録されている場合、各グループで占有するバンドをクリックして選択します。占有すると青色で表示されます。白ヌキ番号になっていないバンドは他のグループが占有しているため、選択や操作ができません。
    クリックして、青色になっているバンドが占有中のバンドです。
    占有の解除はバンドを占有しているリンクグループエディターでのみ実行できます。

  • [MATCHVAL]ボタン
    リンクグループエディターの占有しているバンドのEQ設定を、登録されているチャンネルにコピーします。

  • LINK MASTER
    リンクグループ内のボリュームを相対値で調整します。

  • [AMP PROTECT]インジケーター
    PC本体でプロテクションが機能しているときに点灯します。

  • [AMP LIMIT]インジケーター
    PC本体でリミッターが機能しているときに点灯します。

    • マスターフェーダー
      リンクグループ内のボリュームを相対値で調整します。上下に可動範囲が灰色で表示されます。
      フェーダーを右クリックして、[Match Values]を選択すると、リンクグループのメンバーのボリュームが同じ値になります。

    • Amp PC 3dbUpB ボタン
      マスターフェーダーを3dB上昇させます。

    • Amp PC 1dbUpB ボタン
      マスターフェーダーを1dB上昇させます。

    • [RESET]ボタン
      マスターフェーダーを0の位置に移動させます。

    • Amp PC 1dbDownB ボタン
      マスターフェーダーを1dB下降させます。

    • Amp PC 3dbDownB ボタン
      マスターフェーダーを3dB下降させます。

13.3.2. [User Delay]タブ

リンクしている端子の「User EQ/User Delay」コンポーネントエディターのUser Delayを一括して変更します。
DELAYについては、 「User EQ/User Delay」コンポーネントエディター を参照してください。

Amp PC LinkGroupW2

  • LINK MASTER
    このリンクグループに登録されている機器のチャンネルのディレイタイムを相対値で調整します。

    • マスターフェーダー
      リンクグループ内のディレイタイムを相対値で調整します。上下に可動範囲が灰色で表示されます。
      フェーダーを右クリックして、[Match Values]を選択すると、リンクグループのメンバーのディレイタイムが同じ値になります。

    • Amp PC 3dbUpB ボタン
      マスターフェーダーを3ms上昇させます。

    • Amp PC 1dbUpB ボタン
      マスターフェーダーを0.3ms上昇させます。

    • [RESET]ボタン
      マスターフェーダーを0の位置に移動させます。

    • Amp PC 1dbDownB ボタン
      マスターフェーダーを0.3ms下降させます。

    • Amp PC 3dbDownB ボタン
      マスターフェーダーを3ms下降させます。

    • [ms]
      マスターフェーダーの値をms単位で表示します。

    • [meter]/[feet]リストボックス
      左にある表示をメートル単位にしたり、フィート単位にしたりします。
      端子単位での表示も切り替わります。

13.4. アラート一覧

PCシリーズで発生するアラート、およびその内容/対策は以下の通りです。
単発は事象が発生したときに表示されます。継続は事象が発生したときと事象が終了したときに表示されます。
問題が解決しない場合は、機器本体の取扱説明書の巻末に記載されているヤマハ修理ご相談センターにご連絡ください。

番号 メッセージ 重大度 内容 対策 単発/継続

05

Amplifier Output Muting

Error

保護機能が働いて、アンプの出力をミュートしました。

原因となる保護機能が解除されるように対応ください。
原因は、同時に表示される別のアラートで確認できます。

継続

12

Mains Voltage Over 276[V]

Error

(起動時)電源電圧が動作可能な電圧の上限を超えていたため、アンプを起動できません。

電源条件内の安定した電源に接続してください。

単発

電源電圧が動作可能な電圧の上限を超えていたため、アンプを停止しました。

継続

13

Power Supply Output Voltage

Fault

(起動時)電源回路の出力電圧に異常があるため、アンプが起動できません。

製品が故障している可能性があります。
ヤマハ修理ご相談センターにお問い合わせください。

単発

電源回路の出力電圧に異常が発生したため、アンプを停止しました。

継続

14

Power Supply Over-temperature

Error

(起動時)電源回路が高温のため、アンプが起動できません。

・温度を下げてから使用してください。
・吸気口の掃除をしてください。
・部屋の温度を下げてください。

単発

電源回路が異常に高温になったため、アンプを停止しました。

継続

21

Amplifier Ch.* DC Output

Fault

(起動時)アンプ出力に異常があったため、アンプが起動できません。

製品が故障している可能性があります。
ヤマハ修理ご相談センターにお問い合わせください。

単発

当該チャンネルのアンプ出力に異常があったため、アンプを停止しました。

継続

22

Amplifier Ch.* Overcurrent

Error

当該チャンネルのアンプに過電流が流れたため、出力をミュートしました。

・出力する音量を抑えて、電流値が高くならないようにしてください。
・スピーカー出力端子がショートしている可能性があります。

継続

23

Amplifier Ch.* Overtemp Level 1

Error

当該チャンネルのアンプの温度がレベル1を超えたため、ファンの回転数を上げて、出力にリミッターをかけました。

・出力する音量を抑えて、温度が高くならないようにしてください。
・フィルターを清掃してください。また、室内温度を一定に保ってください。

継続

24

Amplifier Ch.* Overtemp Level 2

Error

当該チャンネルのアンプの温度がレベル2を超えたため、ファンの回転数を上げて、出力にリミッターをかけました。

継続

25

Amplifier Ch.* Overtemp Level 3

Error

当該チャンネルのアンプの温度がレベル3を超えたため、ファンを最高速で回して、出力をミュートしました。

継続

26

Ch.* High Load

Warning

Load Monitoring 機能で測定した当該チャンネルのインピーダンス値が、指定値より高くなっています。

スピーカーやケーブルに異常がないか確認してください。
Thresholdの設定値が適切かどうか、確認してください。

継続

27

Ch.* Low Load

Warning

Load Monitoring 機能で測定した当該チャンネルのインピーダンス値が、指定値より低くなっています。

継続

31

Fan * Error

Fault

当該番号のファンの回転が停止しました。

製品が故障している可能性があります。
ヤマハ修理ご相談センターにお問い合わせください。

継続

42

Input D* Change To 2nd

Warning

Input Redundancy Backup 機能によって、音声が第2プライオリティの回線に切り替わりました。

メインの音声回線(Dante)に異常がないか確認してください。
(Auto Return 機能がONの場合、接続し直すと回線が急に切り換わることがあるのでご注意ください)

単発

43

Input D* Change To 3rd

Warning

Input Redundancy Backup機能によって、音声が第3プライオリティの回線に切り替わりました。

メインや第2プライオリティの音声回線(Dante)に異常がないか確認してください。
(Auto Return 機能がONの場合、接続し直すと回線が急に切り換わることがあるのでご注意ください)

単発

61

Dante Module Failed

Fault

内蔵するDante モジュールが正しく動作していません。

製品が故障している可能性があります。
ヤマハ修理ご相談センターにお問い合わせください。

継続

63

Firmware Versions Mismatch

Error

本体のファームウェアのバージョンと、Danteのファームウエアのバージョンとで、互
換性がありません。

Webで公開されているアップデータは、本体のファームとDanteのファームがセットで含まれています。両者を共にアップデートしてください。

単発

64

Dante Is Not Working By Giga Bit

Error

ギガビットイーサネットに対応していない機器が接続されています。
Daisy Chain モードでは、 Control Port に接続しても、本アラートが発生します。
本製品がネットワークから切断した場合、アラート69が発生して、本アラートはいったん解消します。

Danteでの音声伝送をする場合は、ギガビットイーサネットに対応した機器をご使用ください。

継続

65

Dante Is Working At Secondary

Warning

Redundantモードにおいて、Danteの音声通信がSecondary回線で行われています。
本製品がネットワークから切断した場合、アラート69が発生して、本アラートはいったん解消します。

Primary回線に異常がないか確認してください。

継続

66

Error Occurred At Secondary Port

Warning

Redundantモードにおいて、DanteのPrimary回線は正常に動作しているが、Secondary回線が接続されていません。
*一度接続が確認された後に切断したときにのみ

Secondary回線の接続が必要な場合は、異常がないか確認してください。

継続

67

Wrong Word Clock

Warning

ワードクロックに異常を検出しました。

・Dante Controller で、システム全体のワードクロックを正しく設定してください。
・音声をパッチする機器どうしで、Fs(サンプリング周波数)の設定が一致している事を確認してください。

継続

69

Dante Port Is Not Connected

Warning

Redundant モードにおいて、 Dante の Primary 回線は正常に動作していますが、 Secondary 回線が接続されていません。
*一度接続が確認された後に切断したときにのみ表示します。

Danteの回線が正しく接続されていることを確認してください。

継続