Danteについて
11. Danteについて
■ Danteの概要
PC-D/DIシリーズは、アナログ入出力の他に、デジタルオーディオ信号を伝送するプロトコルとしてDante を採用しています。Danteは、Audinate社が開発したネットワークオーディオプロトコルです。ギガビットイーサネット対応のネットワーク環境で、サンプリング周波数/ビットレートが違う複数のオーディオ信号や、機器のコントロール信号を同一ネットワーク内で伝送できる特長を持っています。
Danteの詳細については、Audinate社のウェブサイトをご参照ください。
https://www.audinate.com/
また、ヤマハ プロオーディオ ウェブサイトにも、Danteに関するさまざまな情報を掲載しています。
https://www.yamahaproaudio.com/
NOTE
Danteネットワーク内では、ネットワークスイッチのEEE機能(*)を使用しないでください。
EEE機能に対応したスイッチ間では、消費電力の相互設定が自動で調整されますが、相互設定の調整が正しく機能しないスイッチもあります。これにより、Danteネットワーク内の不適切な場面で、スイッチのEEE機能が有効になってしまう可能性があり、クロック同期性能が悪化して音声が途切れる場合があります。そのため、以下の点にご注意ください。
•マネージドスイッチを使う場合、Danteを使用するすべてのポートのEEE機能をオフにしてください。EEE機能がオフにできないスイッチは使用しないでください。
•アンマネージドスイッチを使う場合、EEE機能に対応したスイッチを使用しないでください。これらのスイッチはEEE機能をオフにできません。
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EEE (Energy Effi cient Ethernet)機能とは、ネットワークのトラフィックが少ないときにイーサネット機器の消費電力を減らす技術です。グリーンイーサネットやIEEE802.3azとも呼ばれています。
11.1. 接続方法について
PC-D/DIシリーズをDanteネットワークに接続させるには、リダンダント接続とデイジーチェーン接続の2つの方法があり、組み合わせて使用できます。コントロール回線の設定(MERGED/SEPARATED)とあわせて、4種類のネットワークシステムを選択できます。
コントロール回線の設定についてはDanteの
CONTROL
をご参照ください。
CONTROL
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MERGED
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SEPARATED
|
||
Secondary Port |
Redundant |
・Dante Primary回線にリモートコントロール通信を重畳させることができます。このときDante[PRIMARY]、[NETWORK]の
いずれかの
端子に接続します。
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・Dante回線はDante[PRIMARY]/[SECONDARY]
それぞれの
端子に接続します。
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Daisy Chain |
・Dante Primary回線にリモートコントロール通信を重畳させることができます。このときDante[PRIMARY]/[SECONDARY]、[NETWORK]の いずれかの 端子に接続します。 |
・Dante Primary回線はDante [PRIMARY]/[SECONDARY]の
いずれかの
端子に接続します。
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11.1.1. リダンダント接続
NOTE
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以下はCONTROL設定がSEPARATEDの場合の説明です。MERGEDの場合については 接続方法について の表をご参照ください。
リダンダント接続は、デイジーチェーンで構築されたネットワークよりも、ネットワーク障害に強い環境を構築できます。リダンダント接続とは、主回線( プライマリー)と副回線( セカンダリー) の2回線で構成された接続方法です。通常はプライマリー回線で通信していますが、プライマリー回線に断線などのトラブルが発生した場合は、自動的に通信がセカンダリー回線に切り替わります。
NOTE
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接続するDante機器は同一ネットワーク上に最大80台までにしてください。
80台以上を接続する場合は、サブネットを分けてください。
NOTE
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Dante ControllerとProVisionaire Designを同一のコンピューターで動作させる場合は、ネットワークインターフェースカードを分けて接続してください。
11.1.2. デイジーチェーン接続
NOTE
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以下はCONTROL設定がMERGEDの場合の説明です。SEPARATEDの場合については 接続方法について の表をご参照ください。
デイジーチェーンとは、機器を数珠つなぎにする接続方法です。ネットワーク構築が簡単で、ネットワークスイッチも不要です。
接続する機器が多くなると、末端機器間の伝送遅延が増えるため、Danteネットワーク上の音切れを防ぐために、レイテンシーを大きく設定する必要があります。また、ケーブルの断線などによりシステムに障害が発生すると、ネットワークがそこで分断され、その先の機器との伝送ができなくなります。
1つのデイジーチェーンの中でつなげるDante機器の台数は、レイテンシーが初期設定(0.5msec)の場合は、5台までにしてください。接続が6台を超えると、ネットワーク内の通信遅れが大きくなり、音声が途切れることがあります。これを避けるには、Dante LATENCYをより大きな値に設定するか、L2スイッチ(ギガビットイーサネット対応)を使用して、ネットワークを分岐してください。
NOTE
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ネットワークがループするため、複数の端子を外部の同一スイッチに接続しないでください。
11.2. Dante設定
PC-D/DIシリーズをDanteネットワークに接続して使うには、DANTE画面でDanteに関する各種設定をしてください。
Dante画面
各機能の詳細は「NETWORK画面」- Dante をご参照ください。
11.3. Dante機器との接続
11.3.1. Dante Controllerについて
Dante Controllerは、Danteネットワークの設定とオーディオのルーティングをするためのアプリケーションソフトです。PC-D/DIシリーズとのインテグレーションに対応しているヤマハデジタルミキサー以外のDante機器と接続する場合や、より詳細な設定をする場合は、Dante Controllerを使用します。
Dante Controllerは下記のウェブサイトから、最新バージョンをダウンロードしてご利用ください。
https://www.yamahaproaudio.com/
Dante Controllerをインストールするコンピューターには、ギガビットイーサネットに対応したEthernet端子が必要です。
Dante Controllerでは、主に以下の設定ができます。
• Network ViewのRoutingタブで入出力パッチの設定
• Network ViewのClock Statusタブでクロックリーダーの設定
• Device ViewのDevice Configタブでサンプリング周波数の設定
NOTE
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Dante ControllerでDante Device Lockを有効にした状態では、Dante設定に関連する入出力パッチなどの設定変更はできません。設定変更したい場合は、Dante ControllerにてDante Device Lockを解除してください。
11.3.2. Dante Controllerの設定
Dante Controllerを起動すると、最初にNetwork Viewが開きます。
Network ViewでDante機器間のオーディオルーティングを設定します。この画面では、ネットワーク上のすべてのDante機器が表示されます。送受信する機器の交点のセル[+]をクリックし、すべてのチャンネルを表示させてから、オーディオルートを設定します。ルートが確立すると、緑色のチェックボックスのアイコンが表示されます。
詳細は、Dante Controllerユーザーマニュアルをご参照ください。
送信機器(デジタルミキサーなど)の出力が、どのDanteチャンネルに割り当てられているかについては、送信機側のマニュアルなどをご参照ください。