1. はじめに

このたびは、ヤマハProVisionaire Control PLUS(プロビジョネアーコントロール プラス)をダウンロードいただき、ありがとうございます。

ProVisionaire Control PLUSは、オリジナルのカスタムコントロールパネルを直感的に作成できるWindows用アプリケーションソフトウェアです。
スライダー、ボタン、写真などのウィジェットをページ(画面)上に配置し、制御したい機器のパラメーターをアサインすることでカスタムコントローラーをデザインできます。

コントロール専用のアプリケーションソフトウェア ProVisionaire Kiosk(*)にProVisionaire Control PLUSで作成したカスタムコントロールパネルのデザインデータを流し込むことで 、オーディオプロセッサー(RM-CR)、 マイクロフォン(RM-CG)、 デジタルミキサー(DM7、DM3)、 MusicCast対応機器などをコントロールできます。

* ProVisionaire Kioskは、WindowsおよびiPad、iPhone上で動作します。

ProVisionaire Control PLUSとProVisionaire Kioskを組み合わせることで、カスタムコントロールパネルの設計と制御までを迅速に実現できます。

1.1. ご注意

  • このソフトウェアおよびユーザーガイドの著作権はすべてヤマハ株式会社が所有します。

  • このソフトウェアおよびユーザーガイドの一部または全部を無断で複製、改変することはできません。

  • このソフトウェアおよびユーザーガイドを運用した結果およびその影響については、一切責任を負いかねますのでご了承ください。

  • このユーザーガイドに掲載されているイラストや画面は、すべて操作説明のためのものです。したがって、実際の仕様と異なる場合があります。

  • Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

  • iPad、iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。

  • IOSは、米国およびその他の国におけるCisco社の商標または登録商標であり、ライセンスに基づき使用されています。

  • 商用目的で音源を使う場合、著作権にご注意ください。著作権の侵害は法律上禁止されています。

  • 本書に記載されている会社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

  • アプリケーションソフトウェアは、改良のため予告なしにバージョンアップすることがあります。
    最新のアプリケーションソフトウェアは、ヤマハプロオーディオサイトからダウンロードできます。
    https://www.yamahaproaudio.com/

1.2. ProVisionaire Control PLUSでできること

  • ページ(画面)に、直感的にスライダー、ボタン、写真などのウィジェットを配置し、設備物件内容や使用形態に応じたお客様オリジナルのコントロールパネルを作成できます。

  • コントロールパネルは、複数のページで構成され、最大50ページまで追加することができます。エリア、ユーザーごとのコントロールパネルを作ったり、空間を使用するシチュエーションに応じたデザインぺージを作成できます。
    また、コントロ―ルパネル毎、デザインページ毎にPass Codeを設定して、アクセスを制限することできます。これにより現場での安全な運用が可能になります。
    1ページには、最大1024個のウィジェットを配置できます。

  • ProVisionaire Control PLUSのプロジェクトファイルは、複数のコントロールパネルのデータを持っています。そのため建物内にある複数のコントロールパネルのデータを一括で管理できます。
    コントロールパネルのデータは、コントローラー単位でProVisionaire Kiosk用のファイルとしてエクスポートできます。

  • [System Monitor]ウィジェットを配置することで、操作対象機器の稼働状況を確認することもできます。

  • 操作対象機器とはWi-Fi経由でも接続できますので、タブレット端末を壁へ埋め込むだけでなく、持ち歩いて操作することで、小回りの利く便利なリモートコントローラーとして運用できます。

  • ProVisionaire Kioskは、複数の主要OS(*)をサポートしているため、ProVisionaire Control PLUSで作成したコントロールパネルデータを機器のOSタイプを気にせずに活用できます。
    * Windows、iOS

1.2.1. ソフトウェアの動作環境

ProVisionaire Control PLUS

OS

Windows 11/Windows 10 (64 bit)

CPU

Intel Core i以上

Memory

4 GB以上

HDD/SSD

1.5 GB以上

Other

Ethernet (1000BASE-T 以上) または Wi-Fi搭載。
ProVisionaire ControlでSystem Monitor Widgetを使用する場合、DirectXのバージョンが10.0以上。

1.3. 理解しておく用語/概念

ソフトウェア

  • ProVisionaire Control PLUS
    ProVisionaire KioskをデザインするためのWindows用ソフトウェアです。本書では以降ProVisionaire Controlと表記します。

  • ProVisionaire Kiosk
    Windows/iPad/iPhoneで動作するリモートコントロールに特化したソフトウェアです。パワーユーザーやスタッフが使用します。本書では以降Kioskと表記します。

  • ProVisionaire Edge
    対応機器の稼働状況を監視するWindows用ソフトウェアです。稼働状況は[System Monitor]ウィジェットで確認できます。稼働状況を確認するためには同一ネットワーク内で1台はこのソフトウェアが稼働しているコンピューターが必要です。

  • ProVisionaire Design
    ヤマハ製品で構成される音響システムを統合的に設計するためのWindows用ソフトウェアです。
    信号処理コンポーネントのパラメーターをドラッグアンドドロップすることでProVisionaire Controlにアサインすることができます。

ロール

ProVisionaire Controlでは、Kioskに対して、以下のロール(役割)を設定できます。

  • Administrator(管理者)
    コントロールパネルを設計/編集する人(主に施工会社の方)。このユーザーガイドを読む人です。機能制限解除をするためのAdministrator Code(4桁)を知っています。

  • Power User(パワーユーザー)
    設備の音響責任者など。アクセス制限をかけたページへの移動や、設定ファイルの変更をするためのPower User Code(4桁)を知っています。

  • Staff(スタッフ)
    パラメーターを操作する人。スクリーンロックを解除するためのUnlock Code(4桁)を知っています。

  • Guest(ゲスト)
    訪問客など操作権限がない人。

各ロールでできることは以下となります。

Administrator Power User Staff Guest

スクリーンロック解除

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-

-

パラメーター操作

-

コントローラーファイルの変更

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-

デザインの変更

-

-

-

単位

ProVisionaire Controlでは構成を考える上で以下の単位があります。

  • プロジェクト
    案件別の単位。建物全体、設備全体という単位で使用します。

  • コントローラー
    Kioskで扱う単位。舞台袖、会議室、講堂などの場所別や使用者別に作成できます。1つのプロジェクトにつき20個までのコントローラーが作成できます。

  • ページ
    デバイスを制御する際の、「複数のウィジェット(ボタンやスライダーなど)から構成される画面」をページと呼んでいます。1つのコントローラーにつき50ページまで作成できます。ホームページに設定されたページがKioskでファイルを開いたときに表示されます。

ファイル

ProVisionaire Control、Kioskでは以下のファイルを使用します。

  • プロジェクトファイル(拡張子.pvcppj)
    ProVisionaire Controlのすべての設定が記述されているファイル。複数のコントローラー情報やページ情報や画像、制御デバイスの情報などが記述されています。

  • スタイルファイル(拡張子.ypvcs)
    ProVisionaire Control用のスタイルを保存したファイル。主にウィジェットの見た目に関する情報が記述されています。

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  • コントローラーファイル(拡張子.pvksk)
    Kiosk用の読み込み専用設定ファイル。1つのコントローラー情報や複数のページ情報、画像、制御デバイスの情報などが記述されています。

モード

ProVisionaire Controlでは以下のモードがあります。

  • Initial Mode(イニシャルモード)
    ファイルが読み込まれていないモード。このモードからファイルを読み込む操作をすることでProVisionaire ControlはDesign Modeに遷移します。

  • Design Mode(デザインモード)
    ProVisionaire Controlでコントローラー/ページの作成や編集をするためのモード。

  • Control Mode(コントロールモード)
    作成したコントローラーの動作を確認するモード。Kioskでコントローラーを起動したときのシミュレーションが可能です。

その他

このユーザーガイドでは以下の用語も使用します。

  • Widget(ウィジェット)
    スライダーやボタン、画像などのGUIパーツ。これらのパーツはデバイスのパラメーターを割り当て、フェーダーやOn/Offのパラメーターと同期させることができます。

  • Style(スタイル)
    プロジェクトファイルにおけるスタイル(ウィジェットの色や形状に関する情報)のデフォルト。ウィジェットごとにスタイルを設定できます。スタイルファイルとしてエクスポートして、他のプロジェクトでインポートすることで同じスタイルを設定できます。